企画委員長 山田 正



























地域マネジメント学会
会長 中村 義幸
(学校法人明治大教務担当常勤理事、明治大学情報コミュニケーション部教授)
















































副会長 三橋 博巳
(公益社団法人 日本不動産学会 顧問)












副会長 山本 俊哉
(明治大学理工学部建築学科教授)











事務局長 阿部 力也
(明治大学法科大学院教授)













山田企画委員長ご挨拶


マンション管理のフレイル

 日本が世界一の高齢化社会になってフレイルという言葉をよく聞くようになりました。
 フレイルとは、海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty](フレイルティ)を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などになります。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対して正しく介入すれば戻るという意味をこめて「フレイル」と2014年5月に提唱しました。
 当学会のスタートはマンション管理の問題提起からスタートしたと聞いています。
 マンション群の老朽化と住人の老齢化、ひいては管理をする役員の認知症問題と当初予定していなかった問題が同時に発生しています。
 老朽化や老齢化は予め予想された事ですが、認知症については世界でも初めての経験で経験値がありません。認知症は高齢になれば必ず誰もがなるのですが,何時なるかは個人差があり、分かりません。急になったり、まだらになったりで身内の人でも注意深く見ていたないと分からないほどです。
 もし、mマンション管理組合の幹部、特に最高責任者が認知症になった時には重大な損失に繋がる危険性があります。それをどう防ぐかはそれぞれの組合が平時から真剣に取り組んでおく必要があります。
 特に幹部の方の尊厳を傷つけることなく、後進に席を譲らせるスキルも重要です。組合員の中にも認知症患者は増加の一途をたどるはず。その人たちを排除するのではなく、認知症の人たちとの共生をいかに図るのか?。
 マンションが終の棲家であるならば、この問題に目を背けずにマンション住人全ての問題と捉えて考える時代に突入しました。
 当学会も初心にかえり、管理組合がこの問題に適正に介入すれば「快適なマンション生活が続行出来るはず」を信じて、今後の研究テーマに推奨していきたい。
 (2019年5月)



中村会長ご挨拶


 この度、平成30年6月29日(金)開催の第15回地域マネジメント学会総会において、第4代会長に選出され、過日就任いたしました。

 本学会は、平成16年6月、私どもの生活の本拠でもある地域社会のマネジメントについて、下記のような新たな学問体系の構築と実務の飛躍的発展を目指して設立されました。
@ 都市・地域・地区(以下「地域」という。)を形成するハードとソフトの資産体系の適切な経営管理に関し、国際的な視野のもとに幅広い学問的、科学的、実務的な調査研究を行う。
A これらの分野に携わる研究者、行政関係者、企業関係者、有識者等による研究成果の発表と相互交流を行う。
B ストック時代における地域資産の適正かつ有効な利活用の推進、防災防犯、情報システム、環境、福祉、伝統文化の継承等についての課題を整理すること。
C 地域資産関係資格者等の資質の向上と育成に寄与すること。
D 地域の経営管理に係る総合的な学問体系の確立、発展を期すること。

そして、こうした目的にそった毎年の学会活動として、これまで講演会やシンポジュウムの実施、学術論文の執筆と学術大会での発表、学会誌『地域マネジメント研究』の発行、施設見学会の開催等、研究者と実務家の協働による幅広いユニークな活動を展開してきました。
 これまでに講演会やシンポジュウム等で取り上げたテーマには、「ニュータウンの現状と課題」「街づくりー商店街活性化戦略」「無縁社会からの脱却」「コンパクトシティ政策をめぐって」「人口減少都市からの脱却」「空き家と地域マネジメント」「地球温暖化の東京への影響」「防災を含む街づくり計画」「東京の地下低地の活用と防災対策」などがあり、こうしてテーマを一瞥しただけでも地域の経営管理にとって解決を迫られている課題は極めて広範かつ重層的であることが分かります。
 さて、平成30年度には、「民泊について考える」と題するテーマで会員以外にも広く参加を呼び掛ける「公開講演会とシンポジュウム」の形式を採用し多数の来場者に恵まれました。その背景には、これまで平成28年1月から試行的に実施された「国家戦略特区制度」を活用した「特区民泊」でしたが、いよいよ平成30年6月からは特区以外でも事業展開が可能となる「住宅宿泊事業法」が施行されることで、政策立案当局者、事業者、周辺居住者、利用者ともに大きな関心を寄せるテーマでした。
 ところで、国外に一歩目を転じると、国際化時代の『国』が背景に退き、モノ・カネ・ヒト・ジョウホウの自由な流通が拡大一途を辿って世界市場が形成されたかに見えた「グローバル化」も、米国の自国第一主義や英国のEUからの離脱に見るように新たな地域市場形成の動向も看取される一方で、紛争や災害等を要因とする難民や移民を含めた大規模な国際人口移動の動向など、先行き不透明感が増しつつあるようです。
 こうした国際社会の動向は、国内で少子高齢化社会、人口減少社会、高度情報社会の課題解決に奔走し、大規模災害への対応や地域経済の疲弊などに直面する日本の経済社会に大きな影響を及ぼすこと必至と言わなければなりません。
 本学会は、大学や研究所の研究者のみならず、官公庁の政策担当者、実務法曹、企業・会社関係者、有識者、有資格者など多様な会員を有するユニークな学会であり、それゆえに、これまでのテーマ選択にも看取されるように「地域マネジメントの最先端課題」に対する‘感度の良さ‘を発揮してきましたが、今後もこうした日本の重要課題の解決に貢献し続けるべく、実務と理論を架橋した総合的な学問体系を構築できるよう努めてまいりますので、ご協力のほどお願い申し上げます。
 (2018年8月)




三橋副会長ご挨拶



 本学会は2004年に地域社会のマネジメントの新たな学問体系の構築と、地域資産に係わる活動と発展を目指して設立されました。設立時の総会記念シンポジウムのテーマは「ストックの課題と展望」であったが、設立から約15年経過し、まさにフローからストックの時代となり、ストックの諸問題、課題が出ています。
 例えば、地域の過疎化による衰退、空き家問題、所有者不明の土地や建物、管理不全などによる社会的問題がでています。これらの対応策としての地域マネジメントの具体的方策、地域の活性化、地域創生、地域再生、地域づくりにおいてもマネジメントは必要不可欠であり、地域マネジメントの役割はますます重要なものとなってくると思います。
 地域マネジメント学はどうあるべきか、どのように実務に適用できるのか、地域マネジメント学の構築に向けて考えていかなければなりません。改めて、基本的な課題を再考する機会であり、今後、本学会の役割は社会的にも益々重要なものになると思っています。
 様々な課題の解決と、学会のさらなる発展に向けて、会員諸氏と共に活動してまいりたいと思っております。
 (2019年4月)




山本副会長ご挨拶



 当学会の活動の拡充に向けて、副会長として一言ご挨拶を申し上げます。
 当学会は、どちらかといえば、小さな学会ではありますが、地域マネジメントに関わる研究者と実務者等がそれぞれの専門領域を超えて学術的な研鑽を重ね、まさに領域横断的な学術的知見を見出し、広げる機会を提供しております。
 あらゆる分野においてグローバル化が進む中、地域が果たす役割がますます大きくなってきていることはいうまでもありません。当学会をはじめ地域関連の学会が増えていることがそれを物語っています。一方、「プランニングからマネジメントへ」といわれるように、そのマネジメントの重要性も高まっています。すなわち、科学的知見に基づいたPDCAのマネジメントサイクルのほか、地域における関係者の協働(コラボレーション)や、文字通り経営(マネジメント)の重要性も増しています。
 当学会は、学際的な研究を促す意味でも、間口を広げて研究発表と交流の場を用意しております。地域マネジメントに関わる研究や実務であれば、分野は問いません。大学院生をはじめとした研究者のみなさん、そして個別具体の問題や課題に向き合い実践をしている実務者のみなさん、是非、当学会に参加して、多様な視点からの研究発表と交流を広げてください。
 (2018年12月)



事務局長ご挨拶



 地域マネジメント学会事務局長を務めます明治大学法科大学院の阿部でございます。平成29年度のご挨拶を申し上げます。専門は刑事法学ですので、一見すると、この学会とあまり関係がないように思われそうですが、「地域と防犯」、「犯罪のない街づくり」という観点から考えますと、刑事法学という領域においてもこの学会の果たす役割は大きいものがあると考えております。

 当学会も創立から13周年を迎えております。地域マネジメント学会の役割をふまえた「回顧と展望」が要請されるこの重要な時期に、事務局長という大役を仰せつかりましたことにあらためて身の引き締まる思いをいたしております。皆様のご指導の程よろしくお願い申し上げます。
 (2017年4月)